血液をきれいにすれば健康で長生きできる 西原克成著
お知らせ 2016年03月09日
なぜ口呼吸がいけないのか?
私たち人間は、哺乳動物のなかで唯一口呼吸ができる動物です。
ほかの動物たちは、鼻だけで呼吸をしていますが人間だけがおしゃべりをするように
なったため、口で呼吸できるようになってしまったのです。
鼻から吸われた空気は、まず鼻毛というフィルターにかけられます。さらに内側に入り、
絨毛のある呼吸粘膜で覆われた鼻腔という空間を通るときに、副鼻腔にたまっていた
温かく湿った空気と瞬時に入れ替わります。そんな神業のようなことができるのです。
この過程で、ばい菌やハウスダスト、ダニの死骸などは、粘液にからめ捕られ、鼻水と
なって排出されます。こうして鼻呼吸によって吸入された空気は、ワルダイエル扁桃輪に
接触するときには、きれいで湿度が保たれた温かい空気となっているのです。鼻は人体を
感染から守る有能な防御装置であるだけでなく、からだの空気清浄器であり、優秀な加湿器
でもあるのです。
一方、口から吸われた空気はこのような過程を経ないので、ばい菌も異物もそのまま、温度も
湿度も外気そのままで口のなかに入ってきます。そして、ワルダイエル扁桃輪の部分の温度を
1度位下げ、その組織の機能を低下させて、自動的にばい菌を取り込む体制作りをしてしまいます。